優先は久米産業団地、山間地は「これから詰める」
市は令和七年の議会で久米産業団地を中心に先行展開すると説明した。理由は立地や既存インフラの利点を挙げるためだ。だが山間地への波及は工程表をこれから詰めるとの答弁だった。
この応答が議場では不満を生んだ。問う側は、地域振興と雇用創出を期待する山間地域の住民にとって、具体的な時期と手段が不可欠だと追及した。市は全市的な指針に基づいて段階的に進めると繰り返したが、明示的なスケジュールは示されていない。
林業側の課題――老齢化林と未利用材の集荷
市は令和三年の議会で森づくり基本計画に基づき、老齢化した針葉樹林の更新や針広混交林化を進める考えを示した。皆伐や間伐を通じて齢級配置を平準化する方針だ。
だが現場では集荷体制が整っていない。未利用の間伐材を安定的に集め、発電や地域熱供給の燃料に回す物流と価格付けが課題だ。ここが解決しなければ、事業の採算と地域還元は実現しない。
議会での攻防――期待と慎重論が交錯
議員側は脱炭素と地域振興を天秤にかける問いを重ねた。竹内議員は森林政策の具体性をただし、行政は国・県の動向や民間連携を踏まえて対応すると答えた。合意はあるが、実施手順で溝が残る。
勝浦議員は久米優先の理由と山間地展開の方法を追及した。市は山間部でも水資源や森林資源を生かす方針を示したが、具体的な工程や資金手当はこれから詰めると明言した。
残る争点と住民目線での優先順位
最大の争点は集荷ルートと事業の採算性だ。地域熱利用や発電施設ができても、燃料が安定供給されなければ稼働は難しい。補助金頼みでは継続性に不安が残る。
もう一つは地域間の受益配分だ。久米との先行展開で何が得られ、山間地住民にはどの程度の雇用やサービス還元があるのかを示す必要がある。市は指針を示したが、現場に落とす工程表が待たれる。