税は入る。だが配分で迷いが生じる
津山市はこれまでに森林環境譲与税を積み上げてきた。市の答弁では使途として森林整備や木材利用促進を掲げる。だが同時に相当額を基金に積む判断もしている。
議員からは積立と投資のバランスを質す声が出た。災害対策や林道整備など即効性のある施策を求める一方で、長期的な森林再生のための資金確保を重視する考えもある。
配分の悩みは物価高や補助単価の見直しとも絡む。現場のコストが上がる中で、限られた予算をどう配るかが自治体の悩みだ。
意向調査は進むが、計画なき山林が半数近く
森林経営管理制度に基づく意向調査は地域を分割して進められている。市の説明では阿波地域は終了、加茂地域は段階的に実施中で面積ベースで約6割の進捗と見込む。
一方で市内の民有人工林約1万9,558ヘクタールのうち、森林経営計画があるのは9,417ヘクタールにとどまる。意向調査の対象母数は約1万ヘクタールであるため、計画未整備の山林が依然として多い。
個人所有の小規模林が多く、所有者への働きかけや現地調査の手間が進捗の足かせだ。市と森林組合が現地で適否を判断する運用だが、時間と人手が必要である。
担い手と補助単価――現場の生活は守れるか
答弁では県登録の民間事業者3社が再委託候補として挙がる一方、林業従事者は39名との数字が示された。担い手の絶対数が足りない現状が浮き彫りだ。
加えて国や県が補助単価や基準を見直した影響で、下刈りや間伐の単価が引き下げられている。議員は暮らしの不安を指摘し、市は生産性向上で対応したいと答えた。
だが生産性向上は時間を要する。現場の賃金や生活を守る具体策を求める声は根強い。制度移行期のミスマッチが放置されれば、担い手流出のリスクが高まる。
バイオマス構想と地域産業のはざまで
地域産業との連携も議論の主要点だ。久米産業団地でのバイオマス発電構想や地元企業との連携で森林資源を事業化する意向が示されている。
だが森林再生には長い時間がかかる。短期の産業振興策と長期の資源管理をどう両立させるかが問われる。担い手育成と設備投資のバランスが鍵である。
議場では第2・第3の工業団地整備を含む選択肢も挙がった。行政は重点対策と民間の取組を結び付け、地域振興と森林管理の両立を目指す方針だ。