集客は成功。だが“回遊”は簡単ではない

森の芸術祭や瀬戸内国際芸術祭が集客力を示したのは間違いない。アートが起点となって人が来る。だが来訪者が県内を流動的に回る仕組み作りは未完成だ。

議会では情報発信の効果やSNS拡散が動員につながったと評価する一方で、観光消費を地域全体へどう広げるかが繰り返し問われた。県は周遊商品やモデルコースで対処する方針を示している。

交通と宿泊――“二次交通”と泊まりの分散が焦点だ

県北部の会場は広域に点在する。公共交通が薄い地域が多く、ここが回遊のボトルネックになった。議員は二次交通の改善を粘り強く追及した。

行政は事業者と連携した臨時バスやJRへの働きかけ、レンタカーやモデルコースの充実で対応している。ただし恒常的な足の確保には利用者の定着と持続的な財政支援が必要だ。

レガシーと住民参加――作品を地域資源にする試行錯誤

芸術祭は作品を残すことで地域に“資産”を作る狙いがある。議会では作品の維持管理や地域で活用する仕組みが具体的に問われた。

県は作品を核にイベント化や観光資源化を進めると同時に、事前のプレイベントや学校連携で住民参画を促す方針を打ち出した。実効性は今後の検証に委ねられる。

国際化と広域連携――DMOや空港便をどう生かすか

海外からの誘客や近隣県との共同ルートづくりも争点だ。県は現地PRデスクやインフルエンサー招請で海外発信を強化している。

同時に近畿や九州との連携、空港の国際便増便を見据えた周遊商品の造成を進めると説明した。だが実需をつかむための旅行会社との協働が鍵になる。