なぜ今、全県配置を掲げるのか
近年、不登校や家庭環境の課題が増え、学校だけで対応しきれないケースが目立っている。県は教育現場の早期発見と関係機関への橋渡しを強めるため、専門職の常駐化を進めている。
議会では、スクールカウンセラーとSSWが連携し、教員の負担を軽くすることが繰り返し求められた。行政側は多面的な相談窓口やアウトリーチチームを整えつつあると説明している。
現場の摩擦:人員確保と継続配置の壁
制度は進むが、現場は疲弊している。SSWの担当継続性は改善したものの、同一担当が2年以上の学校は半数に届かない。頻繁な交代は相談の中断や信頼構築の阻害につながる。
書類作成も重い負担だ。ある時点で年間1,000枚を超える報告書が出される実態が指摘された。時間が書類に取られ、直接支援や関係機関との調整が圧迫される恐れがある。
制度の穴と民間連携の可能性
議会では、フリースクールや子ども食堂など民間の居場所をどう制度的に位置づけるかが焦点になった。県は地域での連携機能をSSWに担わせていると説明するが、財政基盤の脆弱な団体への具体的支援は今後の課題だ。
一方で、県は子ども食堂応援ファンドや圏域ネットワークで実務支援を進める方針を示した。公民の役割分担を明確にし、ケース会議への参加や情報共有の仕組みを整えれば、支援の幅は広がる。
県議会の問いが示す次の焦点
議員は共通アセスメントや支援情報の継続利用を繰り返し求めた。転校や進学で支援が途切れる問題に対し、学校間で継続的に情報を引き継ぐ仕組みづくりが必要だ。
人材確保では、社会福祉士会や大学との連携、実習受入れで裾野を広げる案が示された。だが具体的な増員計画や定着策は十分とは言えない。次期予算と現場運用が注目される。