事案の経緯と発見
円城浄水場での異常検出は2023年10月に起きた。県が上流域の追跡調査を続けた結果、資材置場に保管されていた使用済み活性炭に高濃度のPFASが確認された。溶出試験でも高濃度が出ており、発生源の可能性は高いと見られている。
県は河川やダム、水源周辺の水質と土壌を順次拡大調査した。専門家の意見を踏まえつつ原因究明を急ぐ方針だ。ただしPFASの浄化技術は確立しておらず、浄水場由来の水を再び給水できる条件はまだ整っていない。
議会での攻防――誰が浄化費用を負うのか
議会では費用負担の所在が最大の争点になった。県側は原則として原因者や土地所有者による対応を求める一方、法的強制が困難な事案であるとも明言した。県は当面、原因究明と技術支援を優先する姿勢だが、補償や浄化実行の具体時期は示していない。
健康面の対応も割れた。血液検査は技術的に可能だが、有識者からは結果が直ちに対策につながらないとの指摘がある。県は町の判断を尊重し支援する立場を取る一方、公費負担の是非は最終的に町が決めるべきだとしている。
監視・技術・法制度の現状
PFASは水道水基準の対象にはなったが、土壌や地下水まで包含する法制度は未整備だ。県は全国調査や国の知見を踏まえつつ、県域での河川等の水質実態把握と結果公表を続けている。だが条例制定は現時点で考えておらず、国の法整備を求める方針だ。
監視強化策として立入検査や年間巡回、ドローンや遠隔カメラの活用、不法投棄通報窓口の機能強化が検討されている。河川やダムの浄化については国の知見が不可欠であり、技術面での自治体単独の対応には限界がある。
住民不安と今後の焦点
被害地域の住民は健康不安と生活への影響を訴えている。県は情報提供や健康相談、専門委員会への参加などで支援するが、補償や長期的な健康フォローの枠組みは未確定だ。検査を行うか否かは町の判断に委ねられている。
今後は四つの課題が浮き彫りだ。第一に国レベルでの規制と責任範囲の明確化。第二に頻度の高いモニタリングと公開体制の整備。第三に健康調査と支援の基準づくり。第四に浄化技術と費用負担の仕組みづくりである。県と町、国が連携して具体策を示せるかが問われている。