変わった争点、変わらぬ課題

当初の議論はCLT導入で木材の新需要を生むことに集中していた。量産工場の立地や実証事例が追い風になったからだ。だが議会での問いは次第に現場の収益性や販路確保へと移った。

最大のつまずきは需要の二極化だ。補助事業は人気を集め、枠はすぐ埋まる。だが民間住宅全体の着工は減り、製材需要は長期で縮小する恐れがある。需給のアンバランスが常に議論を引き戻している。

公共建築は見せ場か、それとも機会損失か

県は公共建築の木造化を政策の柱に据えている。シンボル施設での採用も進み、設計段階で県産材を優先する仕組みもある。実効性は評価できるだろう。

一方で県は公共施設の長寿命化も進める。建て替えを先延ばしすれば木造化のチャンスは減る。県は内装や二階建て以下の採用で両立を図る方針だが、現場では摩擦が残る。

工場と森林の現場はどう動くか

CLT工場や製材所は原材料の安定確保を最重要課題とする。伐採適期を迎える人工林は増えるが、搬出路の整備や担い手不足が供給を制約する。作業道や高性能機械への投資が急務だ。

さらにサプライチェーンの構築が遅れると、設計者や工務店までつながらない。県は連携促進や普及啓発を掲げるが、製造から建築まで一気通貫の仕組み作りが欠かせない。

輸入との競合と制度設計の分岐点

議会では輸入CLTの価格圧力を懸念する声が強い。現状ではJAS認定が輸入拡大の抑止力になっているが、認定状況は今後変わる可能性がある。

ここで県が取る選択は明快だ。調達ルールや補助の設計で地元木材の優位性を作るのか。あるいはコスト競争力の改善で量産体制を強化するのか。議会は詳細な施策の提示を求め続けている。