現場の“できること”と“できないこと”が浮き彫りに

太陽光導入の候補は当初766件に上った。だが耐用年数や新耐震基準で大幅に絞り込んだ。結果、設置候補は70件前後に減ったのである。

行政は構造計算や床面積、日射量を重視した。古い建物では計算書が残らない場合も多く、調査と費用が導入の足かせになっている。

PPAなど初期負担を抑える方式や環境債の活用は検討中だ。だが財源確保の具体策はこれから詰める段階である。

公用車のEV化と充電インフラの綱引き

県は公用車の更新時に可能な限りEVを導入する方針だ。現在の導入台数は限定的で、運用実態の改善も求められている。

充電設備では方針転換が進む。10年前に整備した急速充電器は耐用年数を超え、多くを廃止する方針だ。

代わりに長時間駐車が見込まれる施設には普通充電器を多数設置する方向だ。費用対効果や利用実態を踏まえ、民間活用も視野に入れる。

数値の裏側にある“争点”

LED化率は令和5年度末で約29.6%と低い水準である。県は予算を重点配分し、数年で普及率を引き上げる見込みを示した。

一方、太陽光の現状値は時期や定義で変わる。過去の公表では34施設・約6,000kWという試算がある一方、別の場面では自家消費用で30施設・約2,700kWと示された。

こうしたズレは導入の目的や測り方の違いに起因する。行政は指標と報告の整合性を高める必要がある。

残された課題と政策の転換点

最大の壁は構造調査と財源である。屋根の耐力確認には時間と費用がかかる。優先順位をつけた計画的な調査が欠かせない。

財源面では国の補助や有利な起債の活用、環境債の検討が挙がる。だが導入加速には実行性のある資金スキームが必要だ。

産業支援と両立させる視点も重要だ。水島のコンビナートなど排出集積地には、技術支援と雇用維持を組み合わせた施策が求められる。