配分はされた。だが“使い切る”壁がある
令和元年度以降、県と市町村に総額約19億7,000万円が配られた。市町村側の受け取り額が大半を占める。だが使途は自治体ごとにばらつく。間伐や所有者調査に回る自治体もあれば、一般財源化しているところも出てくる。
県は連携推進会議や県民局を通じ、具体的な事例提示や個別助言を続けている。研修や人材バンクの整備も進めた。だが現場の最大の障壁は人手と情報だ。紙ベースの管理に依存する自治体では、効率的な事業化が進みにくい。
国の方針変更が追い打ちに
国は間伐搬出材積の上限を全国一律に縮小した。成長に時間がかかる岡山のヒノキ林には不利になる恐れがある。県議は県独自の補填や県民税の活用を迫ったが、県は造林予算全体を守る観点から大幅な再配分は難しいと判断した。
行政は代替策として高性能機械導入支援や林道整備、森林経営計画の策定促進で施業の集約化と低コスト化を図る方針だ。だが、こうした施策は初期投資と継続的な人材育成を要する。
伐採から植替えまでの“つなぎ”が弱い
人工林の伐採は増えている。令和元~2年度で伐採面積は計633ヘクタールに達した。一方で再造林は191ヘクタールにとどまり、再造林率は十分とは言えない。伐採と植栽を一貫して行う仕組みが整っていないのが原因だ。
県は全国植樹祭を契機に県民参加の植樹を計画し、少花粉のコンテナ苗生産を拡大するなど植替え促進に取り組む。だが苗木生産や植栽のコストをどう抑えるかが実効性の分かれ目である。
担い手育成と自伐型林業の可能性
自伐型林業は地域資源の活用や移住・定住の受け皿になり得る。県は就業相談会や伐採研修で支援する方針だ。だが収益性や技術習得、受入体制の不足が障害だ。
県は研修施設やVRシミュレーターを整備し、林業経営体の事業効率化研修も実施する。だが現場では担い手確保のための“継続収入モデル”構築が急務だ。