現状の“数字”が示すもの
県は橋梁の耐震化を優先して進めてきた。長期化する復旧を避ける狙いだ。
ただし15メートル以上の橋梁で耐震性能を確保できたのは69%にとどまる。残る橋は地震後の機能回復が課題だ。
建築物の面でも進捗はまちまちだ。耐震診断義務のある沿道建築物で不足解消は38%と報告された。
無電柱化では第1次対象16.7kmのうち7.2kmで事業着手と段階的だ。観光地の整備状況は地域差が出ている。
議場での攻防が浮き彫りにした主眼点
議員は具体的な優先順位や実効性を執拗に追及した。特に橋梁と路盤の優先順位が争点になった。
行政は限られた財源の中で効果的に事業を選ぶと説明した。個別箇所の確定は今後の事業選定で判断するとした。
路面下空洞については河川や海岸沿いを重点調査する方針を示した。AIを活用して早期発見を目指すとした。
盛土の点検はこれまで手薄だった。能登地震の教訓を受け、国の点検要領を踏まえて検討を進めると回答した。
技術と現場の対策の進め方
路面点検には画像解析AIを導入する。来年度から舗装点検システムと調査を連携させる計画だ。
空洞は河川護岸や埋設物周辺で多く見つかった。重点区間を定期的に調べる運用に切り替える。
無電柱化では工法の効率化と協議会による合意形成を重視する。費用削減が急務だ。
橋梁は早期復旧が難しいため優先度を高める。迂回路や防災拠点との接続も判断材料にする。
市民生活への影響と残された課題
道路の切断は被災直後の救援や物流を直撃する。橋や盛土の損壊は復旧に時間がかかる。
無電柱化は景観と倒木・電柱倒壊対策の二重の利益を生む。だが自治体間の調整が進まないと停滞する。
予算は常に制約だ。補助や起債を活用するとしても、全体最適の選定が問われる。
透明な優先順位と市民への説明が欠かせない。合意形成なくして速度向上は難しい。