これまでの取り組みと現場の実情
県は長年にわたり介護技能向上研修と専門用語を含む日本語支援を続けてきた。EPAや留学生向けの学習支援補助も行われている。
働きやすさを高めるためにICTや介護ロボット導入支援を実施。認証制度で職場改善を評価し、小中学生への職場体験で職業イメージの向上を図った。
だが介護分野の求人数は依然高く、有効求人倍率は約4倍と報告される。現場では即戦力の不足と高い離職率が同時に問題化している。
議会で浮かんだ争点と議論の流れ
議員らは繰り返し、研修だけでは足りないと指摘した。特に特定技能や技能実習で来る外国人の将来像をどう描くかが争点となった。
受け入れる側の不安も取り上げられた。日本語能力だけでなく職場内の支援体制が不十分では定着しないとの指摘が強かった。
円安や入国情勢の変化で外国人の来日意欲が揺らぐ懸念も示された。これを受けて県は企業の実態調査や関係協議会の意見を踏まえた政策づくりを進める考えを示した。
転換点──受け入れ側支援とマッチングの重要性
最近の答弁で県は、外国人本人への支援に加えて受け入れる職場が支えられる体制整備に力を入れると明言した。職場側の不安解消を重視するという方針転換だ。
具体策としては県独自のマッチング制度や『外国人材等支援推進計画』の策定検討が挙がっている。雇用実態調査を基に支援策を設計する流れだ。
しかし職場環境の改善や賃金引上げ、生活支援といった構造的課題は残る。定着にはキャリアパスの提示と待遇改善が不可欠である。
市民生活への影響と今後の視点
介護人材の定着はサービスの継続性に直結する。離職が続けば利用者の受け皿が崩れる恐れがあるため早急な対策が求められる。
県は2040年を見据え人手不足の深刻化を想定している。政策の成否はマッチング制度や職場支援の実効性にかかっていると言える。