現状と手応え
県は地域資源を結ぶ推奨ルートを軸に観光振興を図っている。最新の提示では県内に8の推奨ルートと18のサブルートがある。
案内看板や路面標示、ルートマップ、公式サイトやスマホ対応を進めている。実務面では道路管理者ごとの維持管理が基本で、県道は週一回以上のパトロールで点検している。
規模構想と安全対策がぶつかった議会論戦
議会では大規模な自転車道新設を求める声が根強い。だが県は現状では既存ルートの機能向上を優先すると明言した。
理由は安全性の確保だ。大型車の通行量やトンネル、急坂、幅員不足、さらには野生動物の危険性まで挙がった。これらは簡単な工事で解消できないため、実行可能な整備に絞る判断だと説明された。
越県連携と交通結節の現実味
瀬戸内一周を目指す動きは地域を跨ぐ協議で進む。県は隣県や国、産業界と情報共有する組織に参加しており、鳥取県との共同PR実績もある。
一方で鉄道や空港との接続強化は未だ課題だ。宇野みなと線のサイクルトレインは運行定着に向け支援を模索中だが、コロナ前で年間約30件程度の自転車持ち込み実績にとどまり、まずは利用促進が必要だとされる。
現場と制度の隙間が残す課題
案内標示の増設やスマホナビの活用で利便性は高められる。だが路肩拡張のようなハード整備は、交通量や地域ごとの優先順位を踏まえて個別判断になる。
加えて観光効果を示す定量的なデータが不足している点が指摘された。空路PRやイベントの成果をどの指標で評価するかを明確にしない限り、次の投資判断は難しい。