拠点と地図の矛盾が露呈した
ハザードマップの見直しは約束された。改定版は来年度に全戸配布される予定だ。だが議会質疑は、現行の避難拠点が災害警戒区域にかかる実態を突きつけた。
北ふれあいセンターが一部危険区域に含まれていたため開設されなかった事例が示された。避難所を「形だけ」決めるのでは危険が残る。地域ごとの逃げ場の再設定が急務だ。
避難誘導の仕組みはまだ実戦仕様ではない
自主防災組織の結成は進められているが、単位町内会と連合町内会の役割配分が課題だ。市は連合を調整役に据え、単位町内会に現場の声かけを期待する方針を示した。
しかし問題は収容力と実務だ。避難所が満杯なら次の誘導先はどこか。名簿に載らない要支援者は誰が見つけ出すのか。訓練と個別計画の制度化が不可欠である。
条例運用と住民権利のせめぎ合い
重点点検箇所での埋立禁止を求める議員の提案に対して、市は技術基準で安全性を確かめて許可する現行体制を堅持した。条例で一律禁止すれば財産権の問題を招くという判断だ。
住民合意を許可要件にする案も退けられた。市は周辺住民への周知にとどめる方針だ。安全確保と個人の権利保護の板挟みが、結論を難しくしている。
資金と情報の透明性が信頼を左右する
県が施行する急傾斜地対策への市負担金について、どの箇所に使うのかが不明確なまま予算化されてきた。議会は具体性の提示を求めたが、行政は今後の確認を約束するにとどまった。
また、ブロック塀撤去補助など制度は整備されたが、利用促進や点検・広報の繰り返しが必要だ。財源と説明責任が住民の安心を左右する現実がある。