ももスタで芽吹いた“場”の力
ももスタは起業の相談窓口であり、イベントのハブでもある。開設以降、地域内での起業活動が可視化された。交流や情報発信が増え、外部の投資家や支援者の目も集まりやすくなった。
この“場”がなければつながらなかった人と資源が結びついた。官民が共催するイベントやプログラムは、起業志望者の裾野を広げる役割を果たしている。都市ブランディングにも効果が出始めており、地元発の動きが対外的な注目を呼ぶようになった。
資金の供給は民が主、行政は接着剤に
議会では創業支援ファンドの設立を求める声が出た。行政が直接資本を投入することには限界があるとの認識も示された。市はファンド創設に慎重だが、民間資本を呼び込むための制度設計や誘導は進める方針だ。
一方で天使投資家や地域ファンドとのマッチング需要は高い。ももスタでのセミナーや相談会から投資につながる可能性があると行政は説明している。だが、種まき段階の資金や経営支援を誰が安定的に提供するかが、成長のボトルネックになっている。
大学発ベンチャーと育成の“空白”
大学からのベンチャー創出は期待値が高いが、新規設立数は振るわない。若手の起業志向が低く、研究シーズの事業化を後押しする体制も十分とは言えない。起点となる学生や研究者への働きかけが課題だ。
市は大学の起業教育プログラムへの支援や、インキュベーターとの連携で改善を図る方針だ。だが、研究を事業に変えるための資金と実務ノウハウ、そして起業家を育てる長期的な人材戦略が欠かせない。
コンソーシアムで広げる地域戦略と残る論点
県や大学、銀行、地元企業を結ぶコンソーシアムを軸に、地域内外での情報共有と協働事業を拡大する動きが出ている。瀬戸内エリアでの裾野拡大を狙い、隣県との連携も視野に入れている。
だが今後は指標で成果を示す必要がある。投資の呼び込み、大学発ベンチャーの創出、創業後の成長支援。これらを誰がどの段階で担い、どう評価するかが次の勝負どころになるだろう。