現状と市の方針
市は2016年の下水道事業経営計画に基づき整備を進めてきた。浸水対策や耐震化も並行する。令和3年の豪雨を受け、浸水対策はさらに強化された。
一方で点検では長寿命域に入った管路が確実に存在する。市は国の特別調査に応じて現状把握を進め、調査結果を踏まえ計画的に修繕や改築を進める方針だ。
老朽化の“リアル”と優先順位の難しさ
管路の劣化は「見える化」から始まる。テレビカメラ調査や打音・空洞調査で劣化箇所を特定し、危険度に応じて優先順位を付ける手順だ。だが、当面の点検対象や更新量には限りがある。
議会では検査頻度を短縮して前倒しで更新すべきだとの声が強い。ただ市側は、浸水対策や耐震化との投資配分も見ながら優先順位を決める必要があると説明している。
補助金と財源をめぐる綱引き
国が示す補助率と市に実際に入る補助額が食い違った事例が問題を浮き彫りにした。国庫補助の按分や当初予算との差で市負担が膨らむ場合がある。
委員側は国に不足分を求めるよう迫った。市は調査結果や精査を踏まえ、国の補助を最大限活用する姿勢を示しているが、明確な追加確約は出ていない。
接続率の壁と住民対応
下水道が来ている地域でも接続しない住宅が残る。賃貸で所有者が県外にいるケースがやりにくさの典型だ。市は訪問や郵送、助成制度で接続を促しているが、効果は地区差がある。
合併処理浄化槽と下水道の役割分担で効率化を図る方針だが、整備が長期化する地域の補助対象外という不公平感も指摘されている。市は関係部局で協議し改善を検討する考えだ。