論戦の軸:人手と連携のズレ

議会で繰り返されたのは人の確保と部署間の連携だった。令和4年の質疑では看護支援員の処遇改善について具体策が示されず、議員は危機感を示した。会計年度任用という雇用形態が安定確保を難しくしている。

同時に学校と訪問看護、福祉窓口の間で役割があいまいになっている。令和3年には教育委員会だけでなく保健福祉局の連携強化を求める声が上がった。行政は研修や協議を進めると答えたが、現場の実感とは乖離がある。

拠点園の現実と広がらぬ受け皿

岡山市の障害児保育の拠点園は11園で、定員は1園あたり10名が中心だ。認可保育園全体は182園にのぼるが、医療的ケアを受け入れる体制は限定的だ。議員は拠点方式の見直しや私立園の好事例の水平展開を訴えた。

保育現場の好事例は存在する。だが、拠点方式のままでは需要に追いつかない。現場からは受け入れ体制の柔軟化や加算の拡充を求める声が根強い。行政は実効的拡充を検討すると回答したが、具体的なロードマップは示されていない。

教育と福祉の橋渡しは進んだか

教育現場ではコーディネーター研修やワーキンググループが導入された。令和5年の定例会で教育長は研修実施を説明した。一歩は進んだが、議員は研修と現場の距離を問題視した。

求められるのは顔の見える連携だ。県の事例にある事業所登録証のような仕組みを導入すれば、学校と福祉の接点が明確になる。市は連携強化を続けるとしているが、制度化に向けた踏み込みが欠けている。

市民目線で残る課題と次の一手

市民にとって重要なのは「いつ、どこで、誰が」日常のケアを担うのかが見えることだ。現状は研修や協議が散発的で、保護者の安心感にはつながっていない。特に一時預かりなどレスパイトの拡充は急務だ。

行政が示すべきは優先順位と実行計画である。看護支援員の処遇改善に具体的な予算案を当てる。訪問看護との連携協定や学校向けの登録制度を試行する。そうした「見える化」が改革の起点になる。