見えない孤独の輪郭が少しずつ見えてきた
議場では長年のひきこもりや8050世帯の実態把握が繰り返し問われた。市は相談窓口を整備し、啓発を進めていると説明する。だが議員は、支援にたどり着かない「見えにくい当事者」の存在を強く指摘した。
具体的な数字も示された。ひきこもり地域支援センターの延べ相談は電話や来所、訪問を合わせて数千件に上ると報告された。登録者の年齢構成を示しつつ、市側はなお潜在的な当事者が高いと認める。調査の詳細化や市独自調査の検討も求められている。
ケースワーカーの現場と訪問基準が争点に
生活保護や見守りの質問では、職員1人当たりの担当件数が焦点になった。市は一人当たり約89件と明かした。議員は面談や訪問が減る中で孤独死を防げるのかと追及した。
市は対面の時間を短縮しつつ電話等で状況把握を続けると説明した。だが現場は多様な課題を抱える。議会は訪問基準の見直しと、関係機関や民生委員との連携強化を求める声を繰り返した。
官と民をつなぐ“場”はつくられているか
行政は平時からの連携づくりを重視している。ESDや市民協働推進センターを活用し、社協やNPOと顔の見える関係を作る取り組みを進めている。配食事業や新聞販売店など民間事業者も見守り網に巻き込む試みが始まった。
とはいえ議論は「ネットワーク」と「プラットフォーム」を分けている。複数の事業やモデルプロジェクトは存在する。だが市は官民が横断する一元的な運用体制の構築をまだ到達点に掲げていない。実効性をどう担保するかが課題だ。
医療と在宅支援の接続も試行錯誤が続く
在宅医療のモデル事業は診診連携や病診連携を軸に進んだ。参加医師のヒアリングを経てバックアップ体制の整備を目指す段階だ。議会は現場の声を反映した実効的な連携を求めた。
高齢者の最期を支えるACPの相談場所提供も議題になった。行政側は検討の必要性を認めつつ、どの局が主体となるかなど実務面の詰めが残ると説明した。