数字が示す“半完成”の現場

市は名簿の整備を進めた。最新の報告では登録対象が1万981人で、情報提供同意は6,632人となる。だが同意がない人も多い。

名簿に基づく個別計画は増えているが量は限定的だ。モデル事業で作成ノウハウをため、段階的に全市展開する方針である。

同意・個人情報・地域の温度差という三つの壁

同意取得は想像以上に手間がかかる。市長も同意が得られないケースがあると認め、分かりやすい案内や説明会で同意を促す方針だ。

個人情報の取り扱いも重い課題である。関係機関とは覚書を交わしているが、地域の自治会や自主防災組織が関わる際の負担や不安は残る。

実務は地域頼みだが支援は限定的だ

自主防災組織は重要な担い手だ。組織率は高いが、コロナ禍で活動が抑制され、地域ごとの温度差が計画普及を阻んでいる。

市はまず名簿掲載者の個別計画作成を優先し、意欲ある地域から段階的に支援を広げる方針だ。災害リスクの高い地域を優先する考えも示している。

在宅医療と電源確保――命に直結する課題

人工呼吸器や在宅酸素を使う人の停電対策は深刻だ。市は地区担当保健師が個別計画の支援を行い、3日分をめどに電源確保を助言しているにとどまる。

議員からは補助制度や貸出、手引きの作成を求める声が上がる。市は他都市の事例も含め研究を進める意向だが、制度化までは遠い。