現場の切実さと制度の隙間

密集地では家が近接し、火災が一軒から広がりやすい。避難経路も狭い道が多く、倒壊の危険な古い家屋が避難路上にある例もある。

住民は避難時の選択肢を求めている。避難所だけでなくホテル利用や車中泊といった分散避難の運用を提案する声が上がった。

議会での攻防──行政の説明と議員の追及

令和元年6月の定例会では、代理受領制度を巡る問いが出た。市は木造住宅耐震改修補助で既に制度を採用し、市民の負担軽減につながっていると説明した。

同じ会期で、地域による危険箇所の把握の重要性が示された。行政は出前講座や自主防災組織支援で周知を進める方針だ。

公共施設の耐震改修と基礎対策の矛盾

令和2年11月の議論では、旧耐震基準で建てられた児童館の耐震改修が問題になった。上部構造だけでなく、基礎の鉄筋や液状化対策も設計段階で検討すべきだとの指摘があった。

行政は液状化などを念頭に置き、担当部署と連携して設計段階で十分検討すると答えた。だが、実際の工事仕様に落とし込むまでの道筋は明確ではない。

分散避難の提案と実行の壁

令和2年6月の定例会では、避難所の密集回避のために宿泊施設等を組み合わせた分散避難のマニュアル化が問われた。

市は分散避難を選択肢として周知し、隣接地域や宿泊施設の活用で密集を避ける方針を示した。具体的な合意形成や施設確保が今後の課題だ。