数字が示す“すき間”とその理由

市は最新の算定で住宅耐震化率を約87%と報告した。全国値に届かず、目標の95%には約8ポイント届かない。診断が改修につながらない点が最大の論点だ。

議会質問では費用負担が改修を阻む主要因として浮上した。能登半島地震後に診断申請は増えたが、工事代金を嫌って踏み切れない所有者が多いと市は説明した。

議場の攻防──診断と補助をめぐるやり取り

議員は“診断は時間がかかる”“診断が補助要件で導入の障壁になっている”と追及した。市は県の補助要件を理由に診断撤廃は難しいと説明したが、簡素化の要望は国・県に出すとしている。

また簡易改修や耐震シェルターの補助拡充を求める声が強まった。市は慎重姿勢を示した。効果の不確かな対策を進める前に安全性を見極める必要があると説明した。

現場で何が動いているか──市の施策とその限界

市は戸別訪問やパネル展示、広報紙、出前講座などで普及啓発を続ける。低コスト工法のPRも昨年度から強化しており、くらしき防災フェアで実物展示や耐震実験を計画している。

高齢者ら改修が困難な世帯には耐震シェルターや防災ベッドの補助制度を設けているが、利用は限られる。着工遅れの原因として診断結果の通知や補強案の提示に数か月かかる運用上の課題も指摘された。

ブロック塀撤去と市営住宅の整理も並行課題

2018年の事故を受け設けた通学路等の危険ブロック塀撤去補助は対象経費の3分の2、上限15万円だが改善完了は限られる。教育委員会は助言・指導を継続している。

市営住宅では旧耐震基準の住戸が多い。耐震性未確認な住戸の入居募集を停止するなど整理を進め、転居促進で安全確保を図る方針だ。