現状は“見える化”と実感の乖離

市は市民参加の仕組みを整えた。市民モニターや提案制度、コールセンターを設けた。対応件数や登録者は増えているという報告だ。

一方で市民アンケートによる認知率は伸び悩む。自分の意見が施策に反映されたと感じる割合も目標に届かないままだ。数字の蓄積と市民の実感が噛み合っていない。

議会が突いた核心──なぜ“届かない”のか

議員は繰り返し問うた。情報発信だけで十分か。市民が意見を出して終わりになってはいないか。主権者としての関与が薄れる懸念は強い。

行政は広報紙やホームページに加えSNSでの周知強化を掲げた。だが議場では、周知の手段より手続きの分かりやすさとフィードバックの確実さを求める声が大きかった。

評価と予算の接続──仕組みはできているか

市は年2回のアンケートでまちづくり指標や満足度を数値化する。数値と事業評価を合わせて進捗を把握し、予算編成に反映すると説明した。

だが議員は「数値化の手順」「自由記述の扱い」「優先順位づけの基準」を具体化するよう迫った。評価が予算にどう直結するかは、運用の細部で差が出る。

残された課題と今後の焦点

市は総合計画の中間見直しで目標を修正する仕組みを導入する方針だ。実績と目標に乖離が生じた場合、柔軟に調整するという狙いである。

それでも実務面の明確化は急務だ。評価シートの市民公開や、評価結果に基づく廃止・縮小の判断基準を透明に示す必要がある。市民の信頼を失えば、制度自体が機能しなくなる。