現状と変遷――対象拡大は段階的に進む
倉敷市の助成は岡山県の公費負担制度に基づいている。従来の対象は身体障がい者手帳の1級・2級や療育手帳Aが中心であった。
県は第9次保健医療計画で精神障がい者を新たに対象とする方針を示した。来年度からの拡大案が提示され、市はその動きを注視している。
議場の攻防――田辺議員が繰り返し追及
田辺議員は複数回にわたり、精神障がい者保健福祉手帳の2級・3級まで対象を広げるよう迫った。通院費や交通費で家計が圧迫される実態を強調した。
市側は制度の根拠が県の制度であることを説明した。県の設計に合わせる必要があるとし、市独自の拡大は慎重に対応する考えを示した。
財政の現実――補助率の引き下げが足かせに
課題の核心は財源配分である。県が市町村への補助率を従前の2分の1から6分の1に引き下げたため、市の負担は相対的に重くなった。
市は補助率の復元を県に直接要望している。だが、復元が実現しなければ、拡大のペースや範囲に制約が出るのは明らかである。
現場への影響と残る課題
現在の拡大はまず精神障がい者手帳1級で、かつ精神通院の自立支援医療受給者証を持つ人が対象となった。2級・3級や難病者の扱いは未確定のままである。
手続きの簡素化や受給者数の精緻な推計が欠かせない。市民に正確な情報を届ける広報と、医療機関との連携強化も急務である。