現場は何が変わるのか
倉敷中央学校給食共同調理場では、高温高圧の調理機を導入して代替食の製造を進めている。加圧加熱殺菌で長期の常温保存が可能だ。少量多品目の対応が現実的になるため、市はこの方式を拡大する考えだ。
現在、給食で提供する除去食は乳・卵が中心だ。導入検討中の機器でエビ・イカ・タコなどの代替も視野に入る。調理は中央で下ごしらえ→真空包装→加熱殺菌→常温保存→提供時に再加熱という工程を想定している。
議場での摩擦:当日調理か、事前調理か
議員側は当日調理を強く求める。子どもが“当日作られた給食を味わう”ことを食育の柱に据えるべきだと主張している。見た目や味が献立と異なる代替食に不満を示す保護者もいる。
教育委員会は人手と安全管理の現実を示す。毎回専任の調理員を配置すれば対応できるアレルゲン数に限界が出る。そこで前日調理・保存により多様なニーズに応えると説明する。安全を最優先に進める姿勢だ。
安全性と検査の担保、しかし透明性は課題
代替食の試作は衛生基準や容器包装詰加圧加熱殺菌の規格に沿って行い、登録検査機関で成分規格試験を実施していると市は説明する。調理指示書や作業工程表も整備しているという。
ただし議会では、試作での工程管理データや検査結果の公開を求める声が根強い。検証データの保管や手順書の整備は進むが、提供前の保護者向け情報や試食機会の拡充を求める意見が残る。
供給体制と財政の現実
倉敷市は1日約4万食の給食を提供している。共同調理場の整備は3拠点程度を想定し、山陽ハイツ跡地で8,000食規模、児島で6,000食規模を計画している。新設施設は配送利便性や敷地条件を踏まえて決定する。
無償化の議論も続くが、国法や財源の制約は重い。市は国の制度差額を負担して小学校無償化を実施した際、独自負担約2.3億円を計上している。給食を実際に食べない児童は約350人いるが、個別の現金給付は国の制度趣旨から困難と市は説明する。