代理返還は動き出したが、地元導入は限定的だ

国は企業が日本学生支援機構へ直接返済できる代理返還制度を創設した。自治体はそれを働きかけの材料にしている。

倉敷市は商工団体への周知やホームページでの情報発信を継続している。だが市内で導入した企業はごくわずかだ。普及は遅れている。

議会での追及は“周知→実効”を求める流れだ

議員は市に対し、数字を示して普及状況と具体的施策の検証を要求した。市は導入企業数や周知活動を報告するにとどまった。

追及の核心はこうだ。企業側の税制・社会保険面のメリットはあるが、導入手続きや人事方針とどう接続するか。市の働きかけだけでは若者定着に結びつかないという懸念である。

人材育成と地元雇用を結ぶ“受け皿”整備の重要性

市はアニメなどデジタルコンテンツ分野で人材育成を進め、受講者の市内就職を目指す計画を掲げている。育成と雇用の両輪が不可欠だ。

制度設計の盲点は効果測定である。代理返還の導入企業が増えても、採用→定着の追跡がなければ政策効果は不透明だ。自治体は指標と支援パッケージを明確にする必要がある。