これまでの投資と成果
倉敷市は平成27年度にESCO事業を始めた。最初の数年で公共施設の空調や給湯などを一括改修し、維持管理も事業者に委ねる形を採った。
令和2年度までに第5弾まで拡大し、これまでに10施設へ導入した実績がある。市の説明では、契約期間が15年の中で8年経過した一部施設で平均約43%の削減を達成したと報告されている。
議会で争われた主要な点
議員側はESCOの効果をどう数値化し、誰にどう示すのかを追及した。市は個別機器の消費を計測し、導入前後で比較して削減量を算出すると説明した。
別の場面では、過去7年間で約5,700トンのCO2削減を報告したことが示され、当初設定の累計目標約3,400トンを上回ったと当局が述べた。ただし議会からは公表方法や住民向けの説明の強化を求める声が根強い。
公園照明では自律型街路灯の導入が議題になった。議員は災害時に携帯等へ給電できる機能を求め、市は既設の事例を挙げつつ給電機能付き機器の導入を検討すると答えた。
現場が抱える課題と市民への影響
市管理の街路灯は設置年代が古いものが残る。暗がりは防犯や歩行者・自転車の安全に直結する。LED化で消費電力を下げられても、灯具の劣化や支柱の腐食は別の課題だ。
維持管理の担い手と費用負担の整理も課題である。ESCOは公共施設に効果を出しているが、道路照明のように分散するインフラにそのまま当てはめるには施工単価や契約期間、交換後の維持方法をきめ細かく設計する必要がある。
次に問われる視点
重要なのは透明性だ。市は効果を定期的に分かりやすく公表する仕組みを整え、住民が改修の優先順位や節減効果を確認できるようにすべきだ。
同時に防災性を高める選択肢も残すべきだ。災害時に給電できる自律型灯のような試行を広げ、費用対効果と実運用の評価を積み上げる必要がある。