なぜ地場産業が今、立て直しを迫られるのか
児島には老朽化した町工場が残る。多くは住居系用途地域にあり、建て替えが難しい。議会で用途制限の特例運用が示されるまで、再生の足かせになっている。
加えて経営者の高齢化だ。後継者不足が根深い。行政はマッチングや講座で支援するが、育成期間の生活支援という実務的な課題が残る。現場の切迫感が質疑から伝わった。
市の支援の“幅”と“中身”をつなげる試み
市は展示会出展やバイヤー招聘で販路を開く。SNSや観光連携も活用して若年層への訴求を図る。最近は繊維マイスター制度や学生と事業者をつなぐ視察ツアーも加わった。
施設面ではインキュベーションやコワーキングの整備を進める。既存のデザイナーズ入居者と新設の倉敷ファッションセンターを連携させる狙いだ。学生を核にした産学連携も明確になった。
議場で浮かんだ“実効性”への疑問
用途制限の特例許可は可能だが個別判断になる。過去10年で6件の事例が示され、行政は柔軟運用を主張した。一方で、恒久的な制度設計を求める声が根強い。
後継者支援では、補助や塾、外部機関との連携が拡充される。しかし賃金補填や育成期間の経済的支援をどこまで担保できるかは未解決だ。議員は伴走型支援の拡大を迫った。
地域資源と教育を結び直すことで生まれる余白
市立短期大学を児島駅前に移転する計画は、地域連携の拠点化を狙う。保育学科と児童館の連携や服飾学科と企業の産学連携で、実践的な人材育成が期待される。
観光資源やジーンズストリートと新施設を結び、人の導線をつくる構想も示された。だが地域内の商店や歴史資源との具体的な運用ルールづくりが今後の課題だ。