経年設備の手当ては進んだが現場は差がある
大西排水機場では口径増強やポンプの整備が繰り返された。除じん装置の改修で流速改善の報告もある。短期の効果は確認できる。
一方で多くの農業用排水機場は耐用年数を超えた電気系統やポンプが残る。補正予算で調査設計や工事費が計上されたが、適用の優先順位は現場ごとに異なる。
議会が追及した三つの焦点
第一は自家発電と燃料の問題だ。停電時に電源車を要請する体制は整えられたが、道路寸断で給油ができないケースの具体策は示されていない。
第二は既存の農業用排水機場を都市浸水対策にどう活用するかだ。市は多目的利用を想定しているが、本来の所管が別部局であるため補助金適用などの調整が課題だ。
第三は排水路の堆積土砂対策だ。流下能力が低い区間の詳細設計が進み、段階的に撤去工事を行う計画である。だが工期と効果の見通しを巡っては住民の不安が残る。
住民に届く効果と限界
農業用排水機場の改修は宅地の短時間浸水を防ぐ効果が期待できる。実際、設備の経年劣化を回復すれば既存能力を発揮できる場面が増える。
ただし河川水位が高い外水影響時は排水が困難になる。逆流防止ゲートや放流用ポンプ、一時貯留など河川管理者との調整でしか解消できない課題もある。
残された課題と優先順位の作り方
予算配分と所管の壁を越える制度設計が急務だ。下水道補助金を使える枠組みに組み直す議論が続いている。
また停電や燃料不足を想定した長期稼働計画を明確にする必要がある。発電機設置率の把握や燃料供給ルートの確保が欠かせない。
最後に、計画は段階的実施が前提である。被害の大きい地区を優先し、進捗は計画改定ごとに公開して信頼を積むべきだ。