現場で進む仕事と数字の裏側
市は県のガイドラインに沿って市内全域を点検した。深さや通学路の有無を基準に危険度を判定したためだ。
その結果、およそ2,000箇所を要改善とした。今期は危険度の高い約500箇所に柵や視線誘導標を設置し約26キロ分を整備する予定である。
河川管理と防災体制の実務
酒津の陸閘は県の管理である。五月に矢板式からスライドゲート式に改修し閉鎖時間を短縮したという対応が進んだ。
河川事前放流は当年二回実施された。酒津では放流開始から六時間ほどで水位が七十〜八十センチ上がり、巡回と直接の注意喚起が行われた。
議会での論点――安全と暮らしの板挟み
議員からは人口回復や住民の安心をどう作るかの追及が続いた。真備の人口は発災前の二万二千七百九十七人から直近二万百八十三人へと減少した。市は復興計画で魅力発信と安全確保を掲げて対応を図ると述べた。
転落防止や陸閘の閉鎖判断では、指示系統や訓練の有無が問われた。県と市の役割分担が改めて確認されたが、住民からは実効性の高い周知を求める声が残る。
要援護者支援と地域防災の現状
市は災害時要援護者台帳を整備している。六十五歳以上らを中心に約四万人が登録されており、地区ごとに避難方法の検討支援を続けている。
だが個別避難計画の実効化や支援の現場での運用は課題だ。検討会や河川事務所との様式共有は進むが、訓練と地域の同意形成が鍵である。
残された大きな問いと住民の視点
堆積土砂の掘削や堤防嵩上げの総事業費と完成時期は依然わかりにくい。住民は完成イメージと負担の所在を知りたがっている。
人口回復は生活再建と企業立地が決め手になる。治水安全性の向上を示す工事完了は重要だが、それだけで住民が戻るわけではない。