現場の“担い手”の実像としわ寄せ
防災士は地域の避難訓練や出前講座で顔が見える存在になっている。だが資格取得後に活動が途切れる例が相次ぎ、特に若い世代の継続参加が課題だ。議会では資格だけで終わらせない支援の必要性が強調された。
市は研修や交流会、出前講座の講師委託など場づくりで防災士の活躍の場を確保している。しかし名簿の提供同意が限定的で、地域間でのマッチングや迅速な動員に壁が残る。現場は人の出入りで強度が変わるのだ。
訓練で見える“計画と現実”のずれ
避難訓練は危険箇所や避難経路の不備を白日の下にする。車椅子が通れない経路や連絡網の遅延など、訓練でしか分からない課題が複数挙がっている。市は訓練の振り返りを計画に反映する方針を示したものの、現場での差は続く。
個別避難計画や届出避難所の運営は地域主体で進めるという考え方だ。だが自主防災組織の担い手不足や高齢化が続けば、届出避難所の運営も圧迫される。行政の支援メニューが本当に地域に届くかが問われている。
議場が映す攻防と行政の約束
議員は数年にわたり育成の継続や人材の定着を追及してきた。行政は研修の拡充や地域密着の組織改編を打ち出すが、具体的な約束と現場の実感には温度差がある。議場では『育てて終わりにしない』ことが繰り返し強調された。
近年は小学校を起点とした訓練参加の働きかけや、くらしき防災士の会との連携など地域での仕組み作りを進めている。今後は福祉避難所の運用や要支援者の個別計画の共有など、実務面での詰めが重要になる。