補聴器助成は“必要な人”に届くか

市は低所得の高齢者向けに補聴器購入費の助成を新設した。対象や手続きは議会で詳細が示され、実施時期は関係機関調整の後に秋ごろを見込むとした。制度設計の背景にはフレイル予防と社会参加の促進がある。

だが対象は非課税世帯や生活保護世帯に限定される。オーダーメード型は価格が高いとして除外した。議員は「必要性のある人に選択肢が狭まるのではないか」と追及した。市は専門医の意見書を要件に、誤配分を避ける狙いを説明した。

デジタル化は利便性を上げたが、包摂性は課題

公式アプリや公共施設のオンライン予約は利便性を高めた。利用者満足度の高い結果も示された。一方で高齢者向け講座の開催実績が示され、デジタル弱者対策は継続課題であることも浮き彫りになった。

公民館でのスマホ講座は延べ数千人が参加している。市は窓口や電話で個別に操作支援を行い、業者と連携して使い勝手を改良すると約束した。しかし議場では「受講できない層」や「講座の継続性」を懸念する声が根強い。

高齢者支援センターの現場負担と運営の矛盾

市は国基準を上回る形で各支援センターに専門職を配置している。3職種を揃え、一定の増員ルールも設定した。だが相談・虐待対応・介護予防など業務は増える一方だ。

センターにはケアプラン作成の上限が設けられている。行政は上限設定を職員のマンパワー確保のためと説明する。議員は「作成報酬が重要な収入源になっている」として、委託料や処遇改善の継続的見直しを迫った。

地域の移動・見守りと住まいの安全網

コミュニティタクシーや割引制度で高齢者の移動支援を図る一方、利用回復が不十分な地域もある。市は多様な移動手段を模索すると答えたが、住民側の働きかけも不可欠だ。

見守り面ではGPSや緊急通報装置の助成・貸出が進む。空き家対策や終活支援も制度化が進むが、現場では医療機関での遺体対応や戸籍調査の遅れといった“最終局面”の課題も残る。