移転と一体化の狙い
令和4年の児童福祉関連の制度見直しを受け、市は令和6年度から保健所と連携して体制整備を進めた。令和8年4月の改称・移転はその到達点の一つである。
くらしき健康福祉プラザへの移転は母子保健と児童福祉を近接させることで、妊産婦面談や乳幼児健診を通じた早期把握を狙う。妊娠届提出後に産前産後ヘルパー申請が同所で済むなど利便性の向上を示す事例がある。
相談窓口の実際と残る課題
電話相談の通常受付は平日17時15分までである。行政は「必要に応じて時間外対応する」と説明するが、恒常的な延長は示していない。緊急性が高い場合は虐待通告専用ダイヤルが24時間対応する体制だ。
議員からは夕方以降に相談しやすい窓口表示や特定日の延長を求める声が繰り返された。市は看板やホームページで案内を充実させると答えた。だが利用者にとって分かりやすい導線が十分に説明されているかはなお課題である。
議会の追及と施策の中身
議会ではPCITの導入提案が出た。専門的な親子訓練を通じて体罰に頼らない子育てを広げようという提案である。行政は心理士による出前講座やグループ支援を例示し、普及啓発を進める方針を示したが、PCITの実地導入や効果検証の具体計画は示されなかった。
また移転に伴う物理的距離の問題も争点となった。庁舎内の他部署との連携が必要なケースで支障が出ないかとの問いに対し、市は定期的な協議や会議の継続で対応すると説明した。議会は言葉だけでなく実効性のある運用ルールを求めている。
見えない数字と求められる可視化
議会答弁の多くは方針や連携の説明に終始する。相談件数の推移や対応の成果を示す具体的なデータが乏しい点は目立つ。コロナ禍の影響についても実態把握が不十分であると指摘された。
今後は相談の量と質、予防的支援の効果を測る指標が必要だ。窓口利便性や多部署連携の改善は、数値で検証できなければ市民の信頼は得られない。